旧・TPPと日本の著作権

いろいろと日々の雑事

TPPと保護期間延長でどうなる日本の著作権!? ①

【ロケーション】

・港区六本木・泉ガーデンタワー13F

・11月4日(金)18:30~21:00

・第4回情報知財研究会

・テーマ「TPPで日本の著作権はどう変わるかー保護期間延長問題を中心にー」

・登壇者 玉井克哉(法学者) 福井健策(弁護士)

・司会 鈴木雄一(防衛大学

・主催 情報通信学会・情報知財研究会

 

目次(索引)

 

【今回の討論会に至るまでの経緯】

TPP著作権保護期間延長論頂上決戦=2013.8 最新版= - Togetter (2013年8/2)

 

TPP著作権クラスタ頂上議録 〜秘密交渉と知財重要条項 - Togetter (2012年12/9)

コミケ・同人誌は潰されないのか? TPP知財条項の懸案 - Togetter (2012年12/11)

 

【ルール】

最初に10分ほど玉井先生よりイントロ・事情説明

福井先生が30分間の発表

続いて玉井先生が30分間の発表

それを受けて福井先生15分間の意見発表

さらにそれを受けて玉井先生15分間発表

ゲストからの寸評および会場からの質疑応答

 

【先行まとめ(実況ログ)】

「TPPで日本の著作権法はどう変わるか-保護期間延長問題を中心に-」(2013/11/01)玉井克哉教授・福井健策弁護士 - Togetter

 

【イントロダクション】

玉井克哉先生(以下玉井):本日はお越しいただきありがとうございました。今日は本当に多数の申し込みをいただきまして、やむなく出席をお断りする方も出るほどでした。

 始める前にザッとですが今回の経緯のご説明したいと思います。

 キッカケは私(玉井)と福井先生のツイッター上でのやりとりでして、当初は池田信夫さんという方が「議論の場所を用意しましょう」と言ってくださったのですが、その直後に、津田さんという、皆さんご存じでしょうけども、これはもう大変有名な方が「MIAU(インターネットユーザー協会)」の主催で、津田さんの司会でやりましょうと申し出ていただきました。

 大変ありがたい話で、それでMIAUさんから9/28に日程調整の候補を8つ(8日間)くらいいただいたのですが、私のわがままというか、海外出張と今年4月に登録した弁護士の仕事がむちゃくちゃいっぱいあって、(私的な)先約があったのは2つだけだったのですが、(全部埋まっていて)結果ご好意をお受けできなかったということで、この場を借りて津田さんには深く感謝するとともに、誠に申し訳なかったということをお伝えしたいと思います。

 また何か機会がありましたらですね、「いやもうお前なんか呼ばん」と言われてしまうかもしれませんけど、もし呼んでいただけるというのであれば、何か、いやもう何でもやらせていただきます。それだけ申し上げておきます。

 

 また、何よりもしかし、本日は福井先生ですよね。

 骨董通り法律事務所といいますと、私たちの世界では大変有名でして、この事務所を立ち上げて10年くらいですか。そのあいだに誰もが知っている事務所に育て上げられたという。

 またそれだけではなく、『著作権とは何か』(集英社新書)、『著作権の世紀-変わる情報の独占制度」』(集英社新書)、『「ネットの自由」vs.著作権:TPPは終わりの始まりなのか』(光文社新書)と新書本を次々と出してらっしゃる。いやそれだけでなく、そのほかにも契約本なども出しておられます。

 こういってはなんですが、我々学者の仕事のうち、「啓蒙書を書く」というのを奪ってしまった方ですね。いや「ただ啓蒙書を書く」っていう人はたくさんいるんですけど、「いい啓蒙書を書く」という人は滅多にいなくてですね、それをもうどんどん書かれちゃったんでね。大変困ったもんだなと思っております(苦笑)。

 

 今日いらっしゃった方は著作権に関心の深い方ばかりだと思うですが、著作権について何かひとつ手頃な本がないか、ということでしたら、私はこの『著作権とは何か』という本を、学生なんかにも薦めております。

 皆さんあの、ぜひ図書館などで借りるのではなく、買って、えー、ください。買うのもブックオフとかでなく書店で。そうすれば印税が著者のほうにも入りますので(会場笑)。

 

福井健策先生(以下福井:(いささか照れ顔で)先生、もう始めましょうよ(会場爆笑)。

 

玉井:あ、はい。これは始める前に言っておきたかったので。あと事情に通じてらっしゃらない方は、大学の教師と弁護士というと、まあいろんな実務があるわけで、弁護士というとあれこれ忙しいだろう、大学の教師はものを考える仕事だから(「今回の発表は大学教師のほうが有利だ」と考えているだろうが)、この分野、著作権の分野についてはですね、福井先生は横綱でして、私はまあ平幕、だと、それでも「お前いつ幕内に入ったんだ」と言われるくらいでして。

 それでも今日は胸を借りるという気持ちで、えー、頑張ってみたいなと思っております。

 

 

 というわけで、今日はだいたい、私の話ではなく福井先生の話を聞きに来たという方も多いと思いますので、そろそろ始めたいと思います。

 

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